ミヤTの【カウンセリング実践力】通信! No.11

みやTのカウンセリング実践力通信2

 

関西カウンセリングセンター専任講師の宮田智基が、カウンセリング実践力養成講座のカリキュラムから、カウンセラーを目指す人にWEB講義を発信します。カウンセリング実践力養成コースでカウンセラーが学んでいること、じっくり、たっぷりお伝えします。

◆実践力の極意 その11 :「パーソナリティを読み解け! 対処行動のパターン」

人間は、「不安」や「葛藤」、「自尊心の傷つき」を回避するために、様々な「対処行動のパターン」(「対人操作のパターン」)を身につけます。そうした「対処行動のパターン」は、その人の「パーソナリティ」の重要な要素になります。(図の①を参照)

相互作用図(対処行動のパターン)

例えば、「嫌われる不安」を避けるために、自分の思いを抑えて周囲に合わせて、いわゆる「良い子」をすることが挙げられます。これは「過剰適応」と呼ばれていますが、周囲に過剰に適応しようとするあまり、何かと我慢をして無理をする状態です。そうすることで、「嫌われる不安」を避けているわけです。

他には、「バカにされる不安」を避けるために、人前では虚勢をはり、「強い自分」を示すことで周囲から認められようとする人もいるでしょう。また、「弱い自分」を人に示すことで、周囲からの援助を引き出そうとする人もいるでしょう。
こうした「対処行動のパターン(対人操作のパターン)」は、その人の「人との関わり方のスタイル」であり、それは「対人的な振る舞い方」の中に現れてきます。

実は、多くの「問題行動」も、クライエントなりの「対処行動」でもあるのです。この視点は、きわめて重要です。
例えば、リストカットや大量服薬、過食嘔吐などは、ある種の「不安」や「葛藤」を抱えられないために、その「不安」を紛らわせようとして生じていることがほとんどです。また、「さみしさ」に耐えられず、不特定多数の異性と性的関係を持つこともあるでしょう。

そうした「問題行動」も、「不安」や「葛藤」に対するクライエントなりの「対処行動」でもあるのです。いずれ、そうした「不安」や「葛藤」を抱えられるようになることが目標になりますが、まずは「より適応的な対処行動」に置き換えていくことが大切です。

例えば、「不安」や「怒り」、「さみしさ」などから「リストカット」をするよりも、母親の布団にもぐりこんで話をしたり、友達に電話をして聴いてもらう方が良いでしょう。また、しんどくなりそうな時は、早めにお風呂に入って気分転換をすることもできます。頓服を飲んで早めに寝てしまうこともできるでしょう。

大切なことは、「問題行動」もクライエントなりの必死の努力であることを認めながら、「より適応的な対処行動」を模索していくことです。クライエントの「対処行動のレパートリー」を広げ、対処能力の向上を目指すことは、とても重要な援助だと言えるでしょう。