公益財団法人関西カウンセリングセンターでは、統合的心理療法の基本から発展的な内容まで、さまざまな切り口で学んでいただけるセミナーシリーズを企画し、今年で10年目となります。
講師陣の篤いご協力のもと、日本を牽引するメンバーによるこのセミナー、Zoomを使ったオンライン開催ですので、どこからでもご参加いただけます。

《多様な学派から学ぶ統合的心理療法》
周知のように、心理療法はそれぞれユニークな強みをもった多様な学派から成り立っています。
統合的な心理療法は、学派の多様性を尊重し、それぞれの学派をオープンな姿勢で広く積極的に学んでいこうとします。
また、診断分類だけでなく、クライエントの個性や背景にある文化の多様性を尊重し、個々のクライエントに合わせて、クライエントとともにセラピーを構築していくことが必要だと考えます。
このセミナーは、今年、10年目を迎えます。このセミナーが、みなさんそれぞれのセラピストとしての成長を促進するものとなることを願っています。
杉原保史
第4回【通学編】 「心と社会―善き治療とは何か」(東畑 開人 先生)は こちら
講座内容
講座概要
期 間 | 2025年7月~2026年2月 全6回 日曜日 |
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対 象 | 公認心理師、臨床心理士、指定大学院大学院生、心理臨床に携わる専門家で、事例等の守秘を遵守できる方 ※受講資格について、わからない・迷われる方は、事務局担当までご遠慮なくお問合せください。 ◆この研修は、臨床心理士資格更新ポイント研修として承認されています(2ポイント/回)◆ |
定員 | 各プログラム 60名 |
受講料 | 各回 6,600円(税込)、第4回(通学)のみ8,800円(税込) |
シリーズ講座内容
研修会番号 | 講義形式 | 日程 | 内容/講師 |
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25-751 | オンライン | 2025年7月27日(日) 10:00~16:15(休憩含む) |
「心理支援における共通要因を理解する:学派を超えて共通する治療要因」 <講義1>杉原 保史 先生 <講義2>若島 孔文 先生 |
25-752 | オンライン | 2025年8月24日(日) 10:00~16:30(休憩含む) |
「心理治療・支援を仕事として行う時の統合的認識の仕方」 <講義>加藤 敬 先生 |
25-753 | オンライン | 2025年9月21日(日) 10:00~16:15(休憩含む) |
「心理療法統合の実際」 <講義1>福島哲夫 先生 <講義2>三瓶 真理子 先生 |
25-754 | 通 学 | 2025年11月23日(日) 10:00~16:15(休憩含む) |
「心と社会-善き治療とは何か」 <講演>東畑 開人 先生 <ディスカッション>杉原 保史 先生 |
25-755 | オンライン | 2025年12月21日(日) 10:00~16:15(休憩を含む) |
「”共感をアップデートする”~理論的理解から臨床的検討へ~」 <講義1・2>岩壁 茂 先生/野田 亜由美 先生 |
25-756 | オンライン | 2026年2月1日(日) 10:00~16:30(休憩を含む) |
「統合的心理療法における関係性~ 関係性を統合する」 <講義>東 斉彰 先生 |
2025年度 日程と講師/お申し込み
第1回「心理支援における共通要因を理解する:学派を超えて共通する治療要因」
研修会番号:25-751
日程:2025年7月27日(日) 10:00~16:15 5時間(休憩除く)

<講義1>
杉原 保史 先生(京都大学学生総合支援機構学生相談部門長・教授)

<講義2>
若島 孔文 先生(東北大学大学院教育学研究科教授)

<司会>
宮田 智基 先生(帝塚山学院大学大学院教授、関西カウンセリングセンター講師)
講義形式 | Zoomウェビナーによるオンライン方式 ※この研修は臨床心理士の資格更新ポイントになりますので、出席確認を行います。 |
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タイムスケジュール | 10:00-11:45 講師①による「講義」 11:45-12:45 昼休憩 12:45-14:30 講師②による「講義」 14:30-14:45 休憩 14:45-16:15 W講師による対談・質疑応答 |
<講義1>杉原 保史 先生
講義タイトル | 共通要因の重要性を理解して促進する |
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講義内容 | 共感、治療同盟、促進的対人スキルなど、学派を超えて共通する治療要因は共通要因と呼ばれます。これらは、言語的・非言語的にクライエントと豊かに関わり、信頼関係を作り出し、安心感を醸し出し、変化への期待を高めるセラピストのあり方と関わっています。共通要因は、非常に重要な治療要因でありながら、現在の心理療法の訓練においては、学派に固有の技法要因の陰に隠れ、十分に注目されていません。共通要因に光を当て、高める方法についてお話しします。 |
<講義2>若島 孔文 先生
講義タイトル | 改訂スリー・ステップス・モデルについて |
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講義内容 | 自然災害の被災者はトラウマだけではなく、生活の不安、悲嘆や無力感など広い範囲への対応が必要である。IASCガイドラインやPFAを参考に「ノーマライズ」を中核にしたスリー・ステップス・モデルが完成した。災害救助者に対するアプローチでは、平均面接回数1.83回、つまり、シングル・セッションで安心を得るケースが大半であった。その後、1904年に心理療法をまとめた井上円了と、約100年前に体系的な心理療法を完成した森田正馬の研究を考察しながら現在の心理療法の課題である「自然回復」に着目した。その課題を踏まえて改訂を行った。本セミナーでは、この改訂スリー・ステップス・モデルについて解説する。 |
第2回「心理治療・支援を仕事として行う時の統合的認識の仕方」
研修会番号:25-752
日程:2025年8月24日(日) 10:00~16:30 5時間(休憩除く)

<講義>
加藤 敬 先生(にしじまファミリークリニック臨床心理士・公認心理師)
講義形式 | Zoomミーティングによるオンライン方式 ※この研修は臨床心理士の資格更新ポイントになりますので、出席確認を行います。 |
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タイムスケジュール | 10:00-11:00 講義 11:00-11:10 休憩 11:10-12:10 講義 12:10-13:10 昼休憩 13:10-14:10 講義 14:10-14:20 休憩 14:20-15:20 講義 15:20-15:30 休憩 15:30-16:30 グループ討論・質疑応答 ※講義の流れにより時間配分は変わることがあります。 |
講義内容 | 心理療法の3大理論と言われるロジャーズのクライエント中心療法、精神分析理論、認知行動療法は、現在発展して多くの統合的な理論や技術が生まれています。しかしいざ理論を仕事として使う時、現実とのギャップを感じることが多いと思います。この講義では演者の経験から理論をどのように現実の仕事に応用していくのか、その際の統合的な認識についてお話ししたいと思います。 |
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今後開催予定の講座
第3回「心理療法統合の実際」
研修会番号:25-753
日程:2025年9月21日(日) 10:00~16:15 5時間(休憩除く)
※7月下旬申込開始予定※

<講義1>
福島 哲夫 先生(大妻女子大学教授、成城カウンセリングオフィス所長)

<講義2>
三瓶 真理子 先生(EASE Mental Management代表)

<司会>
宮田 智基 先生(帝塚山学院大学大学院教授、関西カウンセリングセンター講師)
講義形式 | Zoomウェビナーによるオンライン方式 ※この研修は臨床心理士の資格更新ポイントになりますので、出席確認を行います。 |
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タイムスケジュール | 10:00-11:45 講師①による「講義」 11:45-12:45 昼休憩 12:45-14:30 講師②による「講義」 14:30-14:45 休憩 14:45-16:15 W講師による対談・質疑応答 |
<講義1>福島 哲夫 先生
講義タイトル | 心理療法統合の実際とコツ(複雑性PTSDの事例をまじえて) |
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講義内容 | 昨年発刊した「心理療法統合の手引きー実践でのコツをつかむ」(福島哲夫・三瓶真理子・遊佐ちひろ著:誠信書房)の内容から、心理療法統合についての具体的な解説と、実際例を紹介する。実際例は統合的なアプローチが必須となる複雑性PTSDのクライエントに対する介入を、実際の動画を交えながら解説する。 |
<講義2>三瓶 真理子 先生
講義タイトル | 折衷的心理療法統合の実際(身体、行動への働きかけを中心に) |
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講義内容 | 本講座では統合的心理療法を実践する際に演者が活用しているモデルを紹介するとともに、特に身体的・行動的アプローチが有効に機能した統合的なセッションの具体例を取り上げる。複数の技法や理論をどのように組み合わせ、クライエントの個別性に応じた柔軟な介入を行うかについて、具体的かつ実践的な視点から検討していく。 |
第5回「“共感をアップデートする”~理論的理解から臨床的検討へ~」
研修会番号:25-755
日程:2025年12月21日(日) 10:00~16:15 5時間(休憩除く)
※10月下旬申込開始予定※

<講義>
岩壁 茂 先生(立命館大学総合心理学部教授)

<講義>
野田 亜由美 先生(大正大学臨床心理学部臨床心理学科助教)

<司会>
宮田 智基 先生(帝塚山学院大学大学院教授、関西カウンセリングセンター講師)
講義形式 | Zoomウェビナーによるオンライン方式 ※この研修は臨床心理士の資格更新ポイントになりますので、出席確認を行います。 |
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タイムスケジュール | 10:00-11:45 講義1 11:45-12:45 昼休憩 12:45-14:30 講義2 14:30-14:45 休憩 14:45-16:15 W講師による対談・質疑応答 |
<講義1>岩壁 茂 先生・野田 亜由美 先生
講義タイトル | セラピストの共感を問い直す |
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講義内容 | カール・ロジャースが重視した「共感的理解」は、現在に至るまで心理療法家にとって重要な概念であり続けています。しかし、実際のところ「クライエントに共感する」とは、一体どういうことなのでしょうか。本講義では、近年の神経科学や動物行動学などの研究知見も踏まえながら、心理療法における共感について皆さんとともに考え直す機会としたいと考えています。あわせて、本講義の中心となるエモーション・フォーカスト・セラピー(EFT)における共感の姿勢や考え方、主要な共感技法についても解説します。 |
<講義2>岩壁 茂 先生・野田 亜由美 先生
講義タイトル | 心理面接における共感の実際 |
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講義内容 | いくつかの心理面接のビデオを視聴しながら、異なる共感の役割やプロセスについて詳しくみていきます。セラピストの共感的波長合わせがずれている場面や、セラピストの感情表現が不十分な場面など、共感の失敗例も取り上げながら、共感を効果的に活かすためのコツについて解説していきます。本講義では、二人の講師がそれぞれの見解を述べながらディスカッション形式で進めることで、共感についての理解をより豊かに深めることを目指します。 |
第6回「統合的心理療法における関係性~ 関係性を統合する」
研修会番号:25-756
日程:2026年2月1日(日) 10:00~16:30 5時間(休憩除く)
※12月中旬申込開始予定※

<講義>
東 斉彰 先生(甲子園大学心理学部教授/発達・臨床心理センター長、羽衣カウンセリングオフィス)
講義形式 | Zoomミーティングによるオンライン方式 ※この研修は臨床心理士の資格更新ポイントになりますので、出席確認を行います。 |
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タイムスケジュール | 10:00-11:00 講義 11:00-11:10 休憩 11:10-12:10 講義 12:10-13:10 昼休憩 13:10-14:10 体験学習(グループワーク) 14:10-14:20 休憩 14:20-15:20 講義 15:20-15:30 休憩 15:30-16:30 質疑応答・まとめ ※講義予定の時間帯でも短時間の体験学習(グループワーク)を行う場合があります。また、講義の流れにより時間配分は変わることがあります。 |
講義内容 | 心理療法・カウンセリングにおいては、セラピストークライエント関係が重要となります。 この関係性は、一般的に言われているような受容、共感、傾聴だけではなく、クライエント・センタード・セラピーはもちろん、精神分析療法、認知行動療法(認知療法と行動療法)、交流分析療法、ブリーフ・セラピー、森田療法などでそのあり方が異なります。 今回のセミナーでは、講義に加えて簡単なワークも取り入れながら、関係性の統合について学びます。 |
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確認事項
お申込み前に必ずご確認ください
オンライン方式の研修はZoomを利用して開催いたします。
PC、タブレット、スマートフォンで受講可能です。
お申込いただいた方には、事前(開催日1週間前~3日前くらいの間)に、eメールで、参加手続きのURLと参加手順について別途ご案内いたしますので、必ずkoza@kscc.or.jpからのメールが受け取れるメールアドレスでお申し込みください。(キャリアメールの場合は、こちらからのメールがうまく届かないことがあります。)
開催日2日前になってもメールが届かない方は、事務局までご連絡ください。
※Zoomについての詳細、並びに事前の環境チェックについては、以下のページをご参照ください。
事前の動作確認について
下記【禁止事項とお願い】について遵守してください。
- 講義の一部または全体を録音、録画、撮影、画面のキャプチャ(スクリーンショット)などしない。
- 講義を複数名で視聴せず、単独で視聴すること。
(子どもや要介護者など同席せざるを得ない方がいる場合は、守秘に十分注意する。) - 講義の中で取り扱われた事例にまつわる部分について、ブログやSNSで発信したり、他者に口外しない。
- 外出先で視聴する場合は、ヘッドフォンなどを用いて、外部に音声が漏れないように配慮する。
自宅で視聴する際も、不必要に家族等に音声や画像が漏れないように十分配慮する。 - オンライン講座に関する URL、ID、パスワード等は受講者が責任をもって管理し、第三者と共有、第三者への開示、貸与、譲渡等しないこと
- 講師の指示以外で、講義中に他の受講者に個別にチャットなどで連絡しない。
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※上記 1~6 について誓約書をご提出いただく場合があります。
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